環話§寒蝉鳴~七十二候~立秋

立秋の次候“寒蝉鳴(ひぐらしなく)”である。

蝉の初鳴き順序が狂ってきている昨今だが、ヒグラシに関しては何と
か真打ちで締める位置をキープしているように思われる。ヒグラシの
鳴き音を聞くと、外気の暑さとは乖離した別世界に誘われるごとくな
気がしてならない。

特に、8月も中旬を過ぎると日の暮も早まっているから、夕べの光量
とヒグラシの“カナカナ”がバランスよくはまり、秋の心理模様へと
誘ってくれるのだ。

うるさいほどの蝉の鳴き音のシャワーも最高潮の時季となり、その騒
音に慣れてしまうと、彼らがいなくなって以降に戸外で何が聞こえる
のか……車が行き交う音や、鳥の鳴き声、木々の葉が風でこすれる音
などなどだが、この時期はそれやがすっかりどこかに押しやられてい
るようで、それほど彼らの音塊はうむをいわさぬ力がある。

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