技話§不器用である

手先が不器用である……実に不器用である。周りが歯痒いと思う以上
に本人も歯痒いのである。

12年前に死んだ父は器用の権化のような人だった。とりあえず自分で
何でも作ってみたりすることができたのだ。祖父もまた昔気質の職人
だったので、祖父と父の血を受け継げなかった不肖の孫であり息子で
あることは否定できない。

それでもまあ、会社の事務仕事的なあれこれは、工夫して段取りをつ
けつつこなしていたから、手先の不器用さを少しは補っていたのかも
しれない。

ではあるが、やはり手先が器用と見える人のことはうらやましいと思
っている。くるくると小回りの効いた手元を見ながら、どうして自分
には同じことができないのかと思ってしまう。

それはおそらく、自分が生来持ち合わせていた非論理性なるものが影
響しているのではないだろうか。手先の器用さには、論理的な思考が
バックにあって、積み重ねによって完成まで導いていくところなのに
非論理的な人間としては、いきなり完成形が頭に浮かび、途中経過を
すっ飛ばして作業しようとするから、物事がスムーズに運んでくれな
いということではないだろうか。

まあ、既に当座の時間はたっぷりある身の上だから、まずは慌てるこ
となく物事に対峙しようと考えている。

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