継話§梅子黄~七十二候~芒種

芒種の末候“梅子黄(うめのみきばむ)”である。

実家に住んでいた頃の中学生くらいまでだったか、祖母が梅干しを漬
ける様子を眺めていた。調達してきた青梅に塩をして紫蘇を混ぜ込み
竹の盆ざるの上に敷き並べて天日で干すのである。

その梅干しは子供心にとても酸っぱく、敬遠して食べることはないま
まだった。

だがそれは、とても残念なことだったとは後日悔やむことになって、
梅干し丸のままではないが、山小屋でもらった弁当の中の、ちぎった
梅干しが入っているおにぎりを食べると、疲れがすーっと抜けていく
ように感じるのだ。

そして、それはとても酸っぱい梅干しなのだけれど、その酸味を顔を
しかめながらも受け入れている自分がいることに気がつく。

というわけで、祖母の梅干しの味はどんなものであったのか、干した
様子は眼に浮かべども、味の記憶はどこにも存在などしていない。

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