経話§自分自身が二十代の頃

おおよそ40年余り前、大学生だった頃に三十代、四十代の脂ののった
年齢にあって活躍していた人たちが鬼籍に入るようになって久しい。

いちいち名前を挙げるのは省略しておくが、二十代はじめの頃でも、
10歳以上年上だった人たちを見ると、ずいぶん年長であると感じても
いたのだった。

自分が齢六十を越えたのだから、彼らが七十代や八十代になってしま
ったのは、今さらながら当たり前のこと。だが、その当たり前のこと
に気がついてうろたえているのもまた否定できない事実なのである。

どうも、活躍していた年齢と変わらずに活動を続けているような錯覚
に勝手に陥って40年余りが過ぎてしまったようなのだ。

そうした人たちが、一人また一人と亡くなっていく……そんな時に、
彼らから受けた影響の大きさに思いを馳せることになるのである。

人は、常に“先達”から様々なことを教えられ、それらを受け留めて
自分の中に取り込んでいく。それを繰り返していくことで、世代から
世代へと継承が続いていくのだ。

ついこの間までは、1920年代生まれの人が身罷っていくと思っていた
ら、ここ何年かの間に1930年代の人たちが亡くなっていくのを見届け
ていることに気がつく。

平均寿命の80歳超えに伴って、活躍を続ける年月も長くなり、そうし
たことで、先達が思わぬ高齢になっていて驚くことになるのである。

……いつかは自分の番が回ってくるのだ。

《日常のトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック