泡話§あれがバブルだったとは

バブル景気が最高潮だったのが1989年のことだった。時あたかも働か
され盛りの三十代半ばで、冗談でも何でもなく、自宅と会社の往復で
時間が過ぎていったのだ。

そして何というか“バブルがバブルが”という世間の狂騒らしきもの
は横目で見てはいたはずだが、バブルそのものを実感したという記憶
の欠片もない。

せいぜい、タクシーの需要が跳ね上がって、深夜なるとに会社が提供
することになっているタクシーの呼び出しがきつくなってきたことだ
った。会社にはタクシー会社との直通回線があって、かなり優先的に
配車してもらっていたはずだが、通常だったら20分もあればやってく
るはずが、30分を超えても来てくれなかった……そんな時代の記憶で
ある。

そんな日々を送っていたものだから、ついぞ“バブルの恩恵”にあず
かった記憶がない。会社の経費で同僚と高い酒を呑み呑みどんちゃん
騒ぎをしつつ浮かれまくったとか、そんなこともなかった。

あえて恩恵というのだったら、外来オペラブームでバブル時代の数年
間というもの、年に大きなオペラハウスの引っ越し公演が3つも来日
したとかで、それぞれの公演にせっせと通いまくったのだが、それが
我々にとってのバブルだったのである。

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