丼話§鰻を喰らふ

本当に、ずいぶんと久しぶりに鰻を食べた。昔から都心にある“A”
という鰻屋である。

都心に店を出しているにしては値段もそこそこなので、30年以上とい
うもの、年に一度か二度は通っているつもりだったが、このところ足
が遠のいていた。

そんなことではいけない、たまにはと出かけたのである。席について
まずビールの中瓶、それに鰻巻――蒲焼を出汁巻卵で巻いたもの――
といわしのいんろう煮、上新香などなどを注文。ビールの後に冷酒を
一合半ほどもらって、出てきたものをつまみつまみのんびり過ごす。

この店は何ともうれしいことに鰻丼が置いてある。鰻重なるものは、
気取っているだけでそもそも食べにくい。それこそ“重箱の隅をつつ
く”という言葉の通りである。中身は同じなのだから、それなら食べ
やすいほうか幸せではないか。

というわけで、頼むのはいつも鰻丼。この日は考えて赤だし味噌汁に
した。あっさりと肝吸いでもいいが、何となく味噌汁が飲みたかった
のだ。

ややあって眼の前に丼が到着。ほどよく焼き上がった鰻に、これまた
ほどよくたれがまぶしかけられていて、そこに山椒粉をふりかける。
熱いところをハフハフと口に運ぶ。ご飯も固めに炊かれていて自分の
好みなのがうれしい。鰻も食べきって、残ったご飯をお新香でかっこ
む……う~む、丼の醍醐味ならではなのである。

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