描話§シューマンに対する長年の勘違い

シューマンは管弦楽法が未熟だった(精通していなかった)ものだから
オーケストラ曲は苦手だった。

……というような趣旨の文章をクラシック音楽雑誌だかで読んだのは
いつのことで誰が書いたのか記憶が飛んでいる。が、シューマンの交
響曲など聴かなかった頃から、その文句が染み付いていたのである。

それで、ブラームスを経てというかブラームスから遡ってシューマン
にたどり着いて聴き始めたら、管弦楽法がどーたらこーたらとかいう
文句がどこかにすっ飛んでしまったのだ。要するに聴いていてとても
おもしろいのだ。1番から4番まで中身がみっちりと詰まっていて、
それぞれが上質な音楽になっているという奇跡。

もちろん作曲作法など何も知らない素人が聴いているから何もわから
ないわけで“プロ”と呼ばれる人達が聴いたら、たちどころに“なっ
ちゃいねーよ!”と喝破するのだろうか。

そういえばワーグナーも音楽教師につきはしたが、管弦楽法とか和声
をあまりまじめに勉強しなかったという話である。そんなワーグナー
の書いた音楽が、恐るべき怪物になってしまったわけだが、あるいは
彼がまじめに音楽の勉強をしていたらどうなっていただろうか。逆に
規則に縛られて才能を開花させることはなかったかもしれない。

そう考えると、学んで得られる作曲技法などはアプリケーションの一
つに過ぎず、そのことにいくら精通していたとしても傑作を産み出せ
るとは限らないのである。

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