華話§六代目中村勘九郎~そして妄想~

2か月連続して、六代目中村勘九郎の襲名披露公演を観た。まさに、
次代のエース颯爽の登場と言っていいだろう。

そうはいっても2月新橋演舞場の舞踊のすばらしさに比べると、3月
中村座の芝居には物足りなさを覚えてしまったわけで、この先に克服
していくべき課題はまだまだたくさんあるようにも感じた。

仁左衛門が中村座の口上で言っていたように、芸に対してはまじめ過
ぎるほどにまじめで熱心――そうじゃない若手もいるが……という耳
の痛い一言も交えつつの日もあったそうだ
――な姿勢は、年下の歌舞
伎役者にとっての大きな目標であることは間違いないところだろう。

祖父や父のような“色気”が付いてくれることはもちろん望んでいる
ことだが、播磨屋から中村屋ということに加えて、何と言っても六代
目尾上菊五郎の曾孫であり、中村芝翫の孫という音羽屋&成駒屋の系
譜が一気に勘九郎(そして七之助にも)に流れ込んでいったということ
である。

おかげで勘九郎の中に様々な多くの可能性が内包しているのではない
かという、素人妄想が膨らんできていることを許していただきたい。
というわけで素人妄想の最たるものとして、ひょっとしたらひょっと
して『勧進帳』の弁慶という可能性を想像しているのだ。

祖父も父も、本舞台では富樫や義経は務めてはいても、弁慶は務めて
いないのではないかと思うのである。もちろん、弁慶を務めるための
貫禄であるとか風格が備わったうえでの話ではあるにしても、勘九郎
の弁慶で『延年の舞』や飛び六法の引っ込みを見ることができたらな
あと……果てしもなく広がる妄想なのであった。

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