雅話§百人一首考[3]~あしびきの~

[承前]

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
ながながし夜を ひとりかも寝む


上の句「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の」は、言ってしまえばこれ
すべてが飾りで、下の句の“長い夜を独り寝することになるんだな”
が、この歌の意味するところでしかないのだ。百人一首の第三首。

古文の授業で、枕詞とか掛詞についての勉強はしたけれど、その時に
考えたことは“単に修辞として使われて意味するところはない”など
とあったけれど、歌が作られた時代にあっても、意味のない飾り言葉
としてだけの地位でしかなかったのだろうかと想像してみたりする。

前回の“てふ”に続いて、あまり詮のないいちゃもんであるのは重々
わかっているし、これに関しては突っ込みができるほど古文を勉強し
たわけではないので、遠吠え程度ということで終わりにしたい。

この歌が特徴的なのは、上の句における“の”の頻出で、これでもか
と言わんばかりに4回も登場するではないか。下手な素人が同じよう
なことを考えても、ことごとく失敗するわけで、それ以前に同じ助詞
の連打などは、厳に戒められてしまうから、そもそも試みることすら
しないだろうことは容易に想像できる。

そんな中にあって人麻呂は“独り寝は寂しいのようぅ”という駄々の
ような感情を“の”の連打でもって表そうとしたのではないのかな?
……万葉集最大の歌人たる人麻呂くんのことですから、そのあたりの
表現は相当にしたたかなものと感じました ♪(´ε` ) ←えらそー
                            [続く]

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