テーマ:百人一首

雅話§百人一首考[72]~おとにきく~

[承前] 祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい) 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ アラサーのプレイボーイが70歳のおばさまに詠んだ恋の歌に対して、 彼女の返歌がこれである。ちなみに、プレイボーイが詠んだ歌は…… 人知れぬ 思いありその 浦風に 波のよるこそ 言はまほしけれ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[71]~ゆふされば~

[承前] 大納言経信(だいなごんつねのぶ) 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く 初秋の風景を詠んだ一首。実り切って垂れる稲穂の田んぼの前にある 郊外の山荘から大納言が、その風景を愛でているところである。 紙と木の日本家屋であれば、山荘程度の大きさを建てるなど造作もな いはずで、公家た…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[70]~さびしさに~

[承前] 良暹法師(りょうぜんほうし) さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ 短歌ではこれが、俳句だと中村草田男“降る雪や明治は遠くなりにけ り”が、色々といじられるようだ。上の句五七五を適当に詠んで、最 後に秋の夕暮と付ければよし。明治だって、最初の五を適当に詠めば 何となく様にな…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[69]~あらしふく~

[承前] 能因法師(のういんほうし) 嵐吹く み室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり 何とも“今の季節のお約束”のような一首ではないか。竜田川は、在 原業平が「ちはやぶる神代も聞かず」と詠った、あの竜田川である。 春の桜と秋の紅葉と、この二つは日本人が古代より愛で続けてきた風 物で、何はなくともと、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[68]~こころにも~

[承前] 三条院(さんじょういん) 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな 第68首までたどり着いた。残りは32首である。あと4カ月ほどで百首 コンプリートなのだが、いささか消化不良な企画になってしまった気 がする。 そもそも歌心が理解できていないから、とってつけたような解釈と、 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[67]~はるのよの~

[承前] 周防内侍(すおうのないし) 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ 夜話などしている最中に“眠くなっちゃった……枕が欲しい”などと 呟いたら、大納言・藤原忠家が“これをどうぞ”と御簾の下から自分 の手を差し出したので、とっさに“そんなことしたら噂が立っちゃう じゃん”と詠んだの…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[66]~もろともに~

[承前] 前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん) もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし 修行僧時代の行尊が詠んだ一首である。平安時代ということを考える ならば、なかなかに厳しく、なかなかに寂しい修行環境だっただろう と想像する。 歌を詠むとは、自分の中のイマジネーションをフル稼…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[65]~うらみわび~

[承前] 相模(さがみ) 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ 恋多き女である相模面目躍如の一首……私って、恋多き女ということ の評判だけで死んでしまうのかしらと、来し方行く末に思いを馳せて いるわけだが、結果としてその評判が後世に残ってしまったわけで、 千年先の未来に、こんなブログ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[64]~あさぼらけ~

[承前] 権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより) 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木 [60]で小式部内侍が“おおえやま”を詠んで、やり込められたのが、 定頼ということのようである。そもそも軽薄というかおっちょこちょ いの性質ということのようだ。 それはおいておくとして、これは…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[63]~いまはただ~

[承前] 左京大夫道雅(さきょうのだいぶみちまさ) 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな ずいぶんと女性に対して“積極的”な人だったようで、けっこうな騒 動を引き起こしているばかりか殺人にも関与しているという、当時か らとかく評判の悪い公家さんだったのだ。 そんな“悪人”でも歌を…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[62]~よをこめて~

[承前] 清少納言(せいしょうなごん) 夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ 清少納言のような人を相手に下手な喧嘩をしては返り討ちで大炎上と なるのは必定である……それなのに藤原行成くんは、何ともつまらぬ 言い訳をしたとしか思われぬ。そのあたりの詳しい経緯を彼女自身が 『枕草子』第百三…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[61]~いにしへの~

[承前] 伊勢大輔(いせのたいふ) いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな これまた“超有名”な一首であるが……単に、奈良の都に昔から咲き 続けている桜が、今年もまた咲いて香り高い、という感じに捉えてい たのだったけれど、奈良から京の都に移植された桜が咲き誇っている という光景であるとは知ら…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[60]~おおえやま~

[承前] 小式部内侍(こしきぶのないし) 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立 あまりにも有名な歌すぎて、さて何を書こうかと思ってしまうが…… 母親の和泉式部が作ったんじゃないのという“代作疑惑”に対して、 小式部内侍が「違いますわよ」と、即座に否定して詠んでみせたのが この歌なのである。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[59]~やすらはで~

[承前] 赤染衛門(あかぞめえもん) やすらはで 寝なましものを さ夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな 待ちぼうけの一首である……来るかと思っていた通い婚の相手はやっ て来ず、西の空に月が落ちていくところまで寝ずに待ってしまったと いう残念な一夜なのだった。 さて、待ち人はどうしていたのだろうかと考えて…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[58]~ありまやま~

[承前] 大弐三位(だいにのさんみ) 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする 忘れた頃になのだろうか、相手の男から「忘れられたんじゃないかと 心配になって」と言ってきたのに応えて「忘れてるのは、あなたのほ うじゃないの」と皮肉を効かせた一首である。 はてさて当時のやり取りは、どれくらいのテ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[57]~めぐりあひて~

[承前] 紫式部(むらさきしきぶ) めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな 和泉式部に続いて紫さんだが、親戚とかそういうわけではない。名声 は『源氏物語』をものした紫さんに軍配はあがりそうだし、前回書い たように、和泉さんの恋愛遍歴が奔放だと批判したのも紫さんだった わけである。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[56]~あらざらむ~

[承前] 和泉式部(いずみしきぶ) あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな ここにきて、ようやく和泉式部の登場である。生没年不詳なので、こ の一首を作ったのが何歳だったかはわからない。大雑把に50歳までは 生きたようだ。 イワシが好きだったという彼女を題材にしたのが『猿源氏草紙』…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[55]~たきのおとは~

[承前] 大納言公任(だいなごんきんとう) 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ これ……知ってますよね、有名ですよね! で、自然の滝が枯れたのだと思っていたら、大覚寺で造園された中に 人工の滝が作り込まれていて、それがすっかり絶えて水音ひとつ聞こ えなくなっていたという一首であ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[54]~わすれじの~

[承前] 儀同三司母(ぎどうさんしのはは) 忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな 「忘れないとと言われても、そんな先のことはわかりませんわよ」と 通ってきた新婚の夫に言う新妻ってどんな人なのでしょうね。 根が駆け引き下手にできているものだから、いきなりそんな言葉で先 制攻撃されたらア…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[53]~なげきつつ~

[承前] 右大将道綱母(うだいしょうみちつなのはは) 嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る 女性から“待ち人来たらず”で一人寝が長いの何のっていう、恨めし さ満点の一首が出てまいりました。 今であれば、携帯メイルかLINEなんかで「ごめん、行けない」と断り が即時に入るから諦め…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[52]~あけぬれば~

[承前] 藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん) 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな 地球の上に朝が来る~その裏側は夜だろう~♪ ……と歌ったのは川田晴久という、物心ついた時には亡くなっていた で、さすがに記憶にないコメディアンだった。 テレビで見たことがある…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[51]~かくとだに~

[承前] 藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたあそん) かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを “ねえ、私のことどれくらい好き?”という質問に真正面から答えら れる男子がどれくらいいるのだろう……たくさんいるんだろうな。と いう想像とは別に、こんな四コマ漫画があったことを思い出した…… …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[50]~きみがため~

[承前] 藤原義孝(ふじわらのよしたか) 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな やれやれ。やっと半分までたどり着いたよ。正直なところ持て余して いて、毎回何を書いてまとめあげようか……悩みに悩んでいるのだ。 それほどに短歌に対して読解力がなく、読んだ歌についての感慨が、 これほどまでまと…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[49]~みかきもり~

[承前] 大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ) みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ またもや悶々な御人の恋歌でござる。 昨日観た歌舞伎座の納涼歌舞伎第一部は『おちくぼ物語』で幕を開け た。もちろん平安時代にものされた『落窪物語』を歌舞伎化した舞台 で、当時の恋愛模様が描かれてい…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[48]~かぜをいたみ~

[承前] 源重之(みなもとのしげゆき) 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな また恋歌かと思いながら調べてみたら、大雑把に43首あると知った。 うーん……どうやら、恋の歌だと知らずに読んでいた作品も多数あっ たということなのだな。 で、この歌の主は“自分だけが砕け散るような片思い”…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[47]~やへむぐら~

[承前] 恵慶法師(えぎょうほうし) 八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり 下七七「人こそ見えね秋は来にけり」ばかりが頭の中に入っていて、 だから上五七五を覚えていなかったという体たらくである。 立秋に入ったタイミングで“秋は来にけり”の一首が登場したのは、 このところ恋歌が続いてい…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[46]~ゆらのとを~

[承前] 曾禰好忠(そねのよしただ) 由良のとを 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな またも、いにしへびとの恋の悩みのようであります。恋歌のほとんど は“うまくいってラブラブじゃん!”みたいなものは、あまり見かけ なさそうな感じで……うまくいってなかったり、片想いでやきもきし ていたり、焦らされ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[45]~あはれとも~

[承前] 謙徳公(けんとくこう) あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな ずいぶんとヘタれた歌だなあとは、注釈を読んでの感想である。 大意は“誰にもかわいそうにと言われないまま死んでしまうのだな” ということのようだが、容姿端麗だったと言われている人となりだっ たとすれば、それほ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[44]~あふことの~

[承前] 中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ) 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし これもまた“恋歌”である。万葉集の時は“相聞”という分類だった のが、古今集以降は恋歌という括りになったようだ。 こうして第1首から百人一首を読み始めていくと、意外という以上に 恋愛にまつわる歌…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雅話§百人一首考[43]~あひみての~

[承前] 権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ) 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり この歌を目にした時、何の考えもなしに“昔は思慮が浅かったなあ” と老人が述懐しているのかの思ったのだった。 それがどうも“熱々”にして“ラブラブ!”な恋の歌のようである。 ごちそうさまと片づけてお…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more